ニノ・ペペローネ

トマト鍋トマト鍋誕生秘話secret story

これは ニノペペトマト鍋が世に出るまでの5年間の物語である・・・・・
※NHKのプロジェクトX風にお読みください。(笑)

シェフ西脇の苦悩

2004年12月 世の中はまだ元気が有り飲食店は忘年会 クリスマスなどで忙しかった葵区鷹匠のトラットリア ニノペペローネも そこそこ忘年会の予約が入っていたが、店主の西脇は何か物足りなさと不安を感じていた 
居酒屋系の店ではドリンク飲み放題企画が流行り始めニノペペローネは今後どのような忘年会をプランを提案していったら良いのか?・・・・・・ 悩んでいた。

そんなある日こんなことを言った人がいた「やっぱり座敷で鍋を囲み酒を酌み交わさないと忘年会って感じがしないんだよね一般的には」一般的には  西脇はハッとした ニノペペローネという店 実は歓送迎会の利用は多いが 忘年会はそれに比べ今一つ弱い感じがあった さまざまな要因が考えられるが 歓送迎会はプライベートで勇志が集まり少人数で気の合った仲間がその個性で店を選ぶケース多いが 忘年会の場合 会社ぐるみで大人数になり さまざまな個性の人が一般的に忘年会らしく そこそこ満足する店を幹事さんは選ぶケースが多いのではないだろうか 大人数と座敷は さしあたり対処のしようが無いが鍋を囲んで に関しては何とかなるのではと考え ワインで楽しめるイタリアンな鍋料理を創り今後のニノペペローネ忘新年会の売りにしていくという発想・・・ 
知り合いに熱く構想を話してみた・・・・・・・・・・・  相手にされなかった。 

ならばとにかく イタリアンで楽しい魅力ある ニノペペ鍋 を創り現実味を持たせていこうと鍋の試作が始まった・・・・・・・・・・
イタリアにはカチュッコと呼ばれるブイヤベースのような海鮮鍋料理があり そこからイメージを広げていこうと考えた 以前TV番組の依頼で このカチュッコと言う料理を作ったことがあったが それと同じものは 安定した材料の調達や鮮度を保つということも含めた管理の面など 問題が多く原価的にも不可能で調達しやすい素材に変えたり 出汁に工夫をしたり何度か試してみたがだめだった その後も試作は難航し開発費ばかりかさみ完成品のイメージは全く見てこない 試作の時間も毎日の仕込みの合間にやるわけで疲れてしまい とりあえずニノペペ鍋開発プロジェクト初年はこれまでになってしまった翌2005年 2006年 2007年と同じような漠然としたイメージで試作を繰り返し完成に至らず徐々にニノペペ鍋のデビューは現実味を無くしていった しかし西脇はあきらめるわけにはいかなかった
                                                          

トマト鍋という新しい発想

さかのぼるが2005年秋それまで元気だった父親が突然体調不良を訴え入院した・・・・・ 脳梗塞だった他にも胃に癌が見つかり2006年6月亡くなるまで 手術 転院 再入院 病院から急な呼び出しなどで臨時休業が多くなり慌ただしさで店全体に対する様々な部分でのケアーがおろそかになってしまった 結果 2006年 2007年と年末の売上が伸びずクリスマスディナーの予約は入るが忘年会は数える程になってしまい状況の打開と希望をニノペペ鍋の完成に託さざるをえなかったのだ 

そして2008年は根本的に店の信頼を回復すべくグランドメニュー ランチやディナーのセットも一新し新体制で出直しの年と位置付け改良に努め新メニュー チラシ ショップカード ダイレクトメールの作成等々 深夜パソコンに向かう仕事が日常になり 寝るのは午前3時~4時が当たり前 店の事ばかり考えて明け暮れる生活だったが充実感があった そんな日々の中でニノペペ鍋の発想もクリエイティブになってきたカチュッコと言う魚介鍋へのこだわりを捨て ゼロからのスタートがトマト鍋という全く新しい発想をもたらしてくれた これを完成させ忘年会集客の戦力にすべく試作が始まった 今度はアイデアが次から次に湧いてきて どの方向でどのようにまとめるのが最良なのかに苦心し これだ という結論がでないまま忘年会シーズンになってしまい 半端なもので見切り発車はできず商品化は またも持ち越されたおりしも リーマンショック以降景気の低迷で外食を控える傾向になり12月も以前のような華やかな空気は無く かろうじてクリスマスから年内最終日までがにぎわう程度 知り合いのシェフ仲間もこの2年位で次々と店をたたみ ニノペペローネも危機感とニノペペ鍋の希望 2つを持って年を越す事になった年が明けると各メディアからトマト鍋という言葉が目や耳に入って来るようになり  2009年の秋・冬にはブームになるかも という予感と。トマト鍋というものが世に出始めたことには先を越された悔しさとあせりもあった 今年こそ商品として完成させブームに乗り遅れないようにし ブームが去っても生き残れるだけの普遍的価値の有る鍋料理に仕上げたい 鍋作りは ジャブを喰らい目が覚めたボクサーのように本気モードに入って行った

トマト鍋ブームの兆し

2009年も夏が過ぎ鍋の季節が近づいて来ると 東京ではトマト鍋 すでにブームのきざしが有り ネット上でもメニューに載せている店が多数出てきていたが 静岡では [静岡トマト鍋]と検索しても該当する店はまだ出て来ない ニノペペトマト鍋の開発にも拍車が掛り ようやく納得いくレベルの試作鍋ができた 肉・野菜・魚介をバランス良く使いトマトベースのスープと生トマトを合わせたものだった
味に対しての納得はできたものの原価が掛り過ぎ商品としてはまだ完成に至っていなかったともあれ自分の作ったトマト鍋のクオリティーがどの程度なのか確かめるべく東京へ 美味しいと評判のトマト鍋を食べに行った 自分の作った味とは根本的に違うものであったが ニノペペトマト鍋にOKの確信を持って帰って来た 後は味を落とさず材料原価の調整をし どのようなパッケージングでメニューに載せるか ということだけで デビューはもう間近かと思われた

しかし 普遍的に美味しく健康的で楽しい鍋という理想をそのままに 材料原価を削ることに苦戦をし時間を費やした・・・・・・・・・ ある時 一つの記憶がよみがえり その解決をいっぺんにすることになる初めから鍋に全ての材料を入れるのではなく オプションとして ゆでモツ シーフード きのこ ジャガイモ ソーセージ チーズ パスタ 米 等々 バラエティーにトッピングを用意し お客様の好みに応じ後から足していく事で鍋が多彩にお客様好みに変化していくという手法 これだ!!

トマト鍋試作段階

ほどけ始めた鍋展開に自分自身も面白くなってきた その他商品化に向けてのアイデアも柔軟に出始め最終的な試作段階に入った 何度も完成形を求め微調整を重ね オプションのトッピングの写真撮り 専用鍋の購入 メニューの制作 販促のチラシ作製なども同時進行し 自分の家族に何度も試作品を食べさせ 意見を聞き 最後の試作の日は 定休日に家族4人が都合を合わせ店に集合し ニノペペローネに夕食を食べに来て トマト鍋を注文したという設定で トッピングの追加や 様々なケースを実践的にこなし最終チェックを完了 いつも辛口評価の当家族だが とりあえず満足のいける楽しいディナーだったようだ

私といえば お客様のつもりで食べたり家族のオーダーでシェフになって料理したり忙しいディナーだったこの鍋の特徴であるオプションの追加トッピングは 少量ずつバラエティーに用意し 金額もできる限り押え 色々試して楽しんでもらえるような設定にした

トマト鍋発進!

当初忘年会メニューとして発案したトマト鍋だが 2人鍋からの承りとし 冬季限定の通常メニューとして12月8日 ニノペペトマト鍋というネーミングでデビューするはこびとなった メデタシメデタシ

余談1
12月8日といえば(真珠湾攻撃 日本開戦)(ジョンレノンの命日)そして(ニノペペトマト鍋誕生)歴史的出来事がまたひとつ?

事前にトマト鍋12月スタートという予告チラシなどで告知をしていたため 「いつからだ」という問い合わせが何度も有り 1週間ほど予定が遅れようやくというスタートだった すでに忘年会の販促には間に合わず 各メディアが鍋の特集などを組む時期にも乗り遅れはしたものの12月12日から12月29日の年内最終営業日まで24日・25日のクリスマスディナー限定日を除く全ての日にトマト鍋の予約が入り好評をいただいたその間だけでも4回ニノペペトマト鍋を食べに来てくれた方もいた

年明けからもトマト鍋2度目の方 さらに5度目の方と 出遅れた割には 大変ありがたい結果で 何よりもお客さまが その味を気に入っていただき鍋のしめにリゾットをしていただくパターンがほとんどなので鍋にはスープすら残らず きれいに完食された鍋が戻って来る コック冥利に尽きるのです

しかしながら しめのリゾット パスタが無料になるクーポン付きのチラシをかなりの枚数作り多くの方の手に渡っているはずなのですが 何をちゅうちょするのか 何なんだろうねー俺を信じてよ

ニノペペローネの評価間違えていない?チラシを持って行ったにもかかわらず本当にもったいない
信じる者は救われるのに くやしい 食べに来てください・・・・・・・・・・・・!!

余談2
先日 医師に 処方された薬を買いに 薬局へ行った顔なじみになってしまった薬剤師の人にトマト鍋のチラシを渡したのですが その薬剤師の方が とある忘年会でトマト鍋を食べたばかりだと言うのだ3種類ほどの鍋料理が出され そのうちの一つがトマト鍋だったようで 食べた人達の感想はまちまちで 味はちょっとすっぱかったようだ トマト鍋というものが こういうものだ という定義が有るわけでもなく 作り手の解釈によって様々なのが現状で 市販のトマト鍋の素 みたいな物も 複数あり 試食はした ニノペペトマト鍋は  あれや それや いずれの物とも違う 「薬剤師さん一度食べに来てよ 認識を新たにするよ きっと」 ニノペペローネは深いんです こんな店静岡の宝なのに・・・・・・I think ? 

もっと多くの人に食べていただき 喜んでもらいたい 5年間の苦闘はそれで初めて報われるというもの しかし本当の勝負は次の鍋シーズンになることは間違いない  新しいトッピングも考へ 常に改良を心がけ
更に進化した面白い鍋にしていこう 来シーズンはもっと旨いぞ・・・・・・・・・・・・・・・アルベルト
To be continued   来シーズンにつづく


(トマト鍋4人前)

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