ペペローネのコラム3~トラットリアをお楽しみ下さい。~

ここ数年夏休みは3日~4日位しか取れないのですが地元を離れイタリア料理を食べに行くようにしている、3年前に行った店で美味しいポークグリルをいただき、そこのシェフと少し話しもして来ました。帰って来てからニノ・ペペローネらしいポークグリルを作ろうと銘柄豚を色々試したりしてみたのですが、なかなか安定して良い仕上がりにならなく試行錯誤の果てに出した結論は、たとえ銘柄豚であっても良い部位でなければだめだ、ということでした。

そこでその当時いちばん取引が多かった某ミートショップにこの銘柄の肩ロースのこの部位だけほしいと指定して頼んでみたのですが、一本の肩ロースから350g位しかとれない部位で、良い部位ばかりいつもニノ・ペペローネに持ってくるわけにはいかないようで、少しずつ、私が指定した部位とは違うところが納品されるようになってきました。
もともと無理を言っているのはこちらなのですが、このメニューこそ、食べた人からは、目からウロコ的な好評をいただきながら自然消滅したイタリアンポークグリルでした。(その後お客様から要望はあったのですが理由を話してご理解をいただいていました。)

・・・といういきさつがあったポークグリルですが、当店のお客様に毎月1回のペースで必ず、おまかせメニューで予約して頂いている60代のご夫婦がいらっしゃり、イタリア通のたいへん元気の良いだんな様なのですが、今年の6月体調を少し崩され少し元気がないように見えました。なんとか以前のパワーを取り戻してもらおうと思い、(以前ポークグリルを食べていただいた際とても気に入ってもらえたことを思い出し)次回のご来店の時のメイン料理として用意しようと考えました。

とうぜん素材の手配が問題だったのですが私の幼なじみに、ドイツで修行したソーセージ造りの達人で某肉店の専務という人間がいて、彼に今までのいきさつを話し指定した豚肩ロースの最良部位だけもらえないか?と頼んでみたら二つ返事で了解してくれ、しかも引き続き安定供給してくれることになり、イタリアンポークグリルはこの夏3年ぶりにメニューに復活したのでした。

ところが食べてくれるのは以前食べたことがある常連のお客様ばかりで、新規のお客様からのオーダーはなかなか頂けず肉料理は仔牛のカツレツ、子羊の香草焼きなどに人気が集まるのです。
勿論それはそれで有りがたいし美味しく仕上げているつもりです。おそらくアピールの仕方にも問題があるとは思いますが食べてもらいたい一品です。そのような物(多くのお客様に食べていただきたいけれど、オーダーしてくれるのは常連のお客様がほとんどの料理)が他にもいくつか有り、そういう物をもっとうまくアピールできないものかと常々思います。
原因の大半は当然こちらにあるわけですし、お客様にも色々ご都合があるので希望的意見として聞いていただきたいのですが、失敗したくない気持ちも解るし、来たからには必ず食べたい料理もあるとは思いますが、楽しみの器を大きくすると思って少し冒険をしてみたら意外に受け入れていただけるものもあると思います。食後酒(当店は常時7種類以上用意)を必ず飲むという楽しみを増やされた方、クリーム系のパスタを敬遠していたけれど、今ではレパートリーに増やされた方、パスタは好きでないと言って前菜と赤ワインで楽しんでいたけれど、今ではパスタも白ワインも楽しんでいただけるようになった方など楽しみのパターンを増やされた方は沢山いらっしゃいます。

そもそもニノ・ペペローネをパスタ屋さんという認識で捉えられてしまっていると毎日の私の仕込み仕事の3分の1くらいのアイテムでしか楽しんでいただいてないように思います。
当店をどう利用するかはお客様の自由ですが、せっかくトラットリアとして静岡でやっているわけですから、なんとかニノ・ペペローネというイタリアンを上手く利用していただき、こんな店があってよかった。と言っていただけるようなお客さまとの関係を増やしていくことが、私どもの目指しているところでもあり、また、当店の存在価値を高めていく努力とお客様に解っていただけるということが、ニノ・ペペローネという20周年を迎えた小さなイタリアンが、この先も存続していけるかどうかのポイントだと考えています。
皆様のお力とご理解を承りながらより良いとラットリアにしていければそれを私どもの喜びといたします。

注(ランチタイムはパスタ中心のメニュー構成になります)

2008/8