第15回 オリーブオイル

今回は、イタリアの人達にとって、最も生活に深くかかわった食材、オリーブオイルについてお話します。日本人が考えるオイルの概念とは全く違い、物を焼いたりする時に、フライパンにくっつかないようにするようなものという失礼な感覚はなく、食のみにとどまらず、生きて行く上でとても重要で、しかも身近でありながら、珍重される物なのです。オリーブ油には、エクストラバージンオリーブ油とピュアオリーブ油とが食用としては多様されます。

ピュアオリーブ油というのは、これからお話するエクストラバージン オリーブ油を遠心分離機にかけ精製し、脱臭・中和・漂白などの化学処理をした 精製オリーブ油というものに、エクストラバージンオイルを混ぜたもので、 味も風味もエクストラバージンオイルとは劣るもので、用途も少し違います。 加熱するには、エクストラバージンオイルよりもむしろ向いていることもありますが、今回はエクストラバージンオリーブ油についてお話します。

熟したブラックオリーブの実と、まだ若いグリーンオリーブの実と比べると、ブラックオリーブの方が、はるかにオイルを多くふくんでいますが、フルーティーな風味を大切にするオリーブ油は、グリーンオリーブから作られます。ですから、5㎏の果実から、1㎏位しか取れません。1本の木からは、2.5リットル~3リットル位のもので、業務用の1缶にも未たない量なのです。

一番搾りのエクストラバージンオリーブオイルというのは、搾りたての状態の果実と油の混合油のことを意味するわけで、オリーブのジュースという方が正しいのかも知れません。加熱して調理に使うと、くどくなることもあり、一般的には、そのままサラダにかけたり、焼き魚や肉に食べる時かけたりする調味料的な使い方をしますが、産地によってこのオリーブ油も特徴があり、海に近い土地で産れたオリーブ油は海の料理と相性が良く、山育ちのオリーブ油は、山の物や、肉料理との相性が良いのです。ですから、できることなら海用のオリーブオイルと山用のオリーブオイルを2本備えておきたい。

そして、私的には、緑色が強くワイングラスに入れて、透かしてみると、エメラルドグリーンに輝く、トスカーナ産のエクストラバージンオリーブ油は、キッチンに常備したい。味も香りも、高品質の物は申し分無い。

しかし、ふたを開けると酸化が早く、開けずに暗い所で保管しても、1年以内には使ってしまいたいオリーブ油は一般家庭に何本も置いておけるものではないので、色々ためすのもおもしろいし、自分好みのオリーブオイルを 1本探すのも良いでしょう。

バタートーストに少量たらしたり、トーストをオリーブオイルと塩だけで食べたりすると、よく味の違いがわかってきます。私の店に来て、ためすのもよい方法かも 知れませんが、それでも違いがわからない人は、どれでも良いから、健康のためにオリーブオイルを使ってください。

~2000/1/25掲載~