第5回 北イタリア料理~その1~

イタリア料理と一口に言っても、北と南では、そのおもむきはガラッと違う。

そこで今回、イタリアを北部、中部、南部に分けて食材や名物、その背景料理の特色などを3回に分けてお話ししたいと思います。

この北~南の料理の違いはイタリアの国土が南北に長く、北のヨーロッパの玄関口には、アルプス山脈があり、そのままアペニン山脈としてイタリア半島の背骨のように連がっていることにより、気候、風土に伴う食材の違いや文化の交流ができにくかったことによる生活様式の違いなどが影響している と考えられます。

また、本来都市国家だったイタリアは南のシチリアのように占領支配化にあ った為、表だって本来の地方性が出しにくかった所があったり北イタリアの都市のようにヨーロッパナイズされ、それぞれが文化的にも政治的にも独立 的で、それぞれの地の郷土性がはっきりしていたような地方もあったり様々であったようだ。

しかし、イタリア統一国家以後は昔と違い、各地方の人々の交流もさかんになり、以前ほどではなくなったにしても、それぞれの地方性の強さは根強く今に至っているようだ。

まず、北イタリアの中でもロンバルディア州には、ミラノのように経済的にも、生活水準も高い地域があり仔牛の肉にチーズの入ったパン粉をまぶし、バター風味で焼き上げる、ミラノ風カツレツやギョーザのように中に詰め物 をするアニョロッティーというパスタなど料理の種類も多く仔牛のスネを骨髄ごと輪切りにしてシチューにするオーソブーコは、ミラノ風カツレツと共 にイタリア中に広まっている。

それとこのあたりは、水田も多くサフランを使ったミラノ風リゾットなどに代表される米料理が多いことでも知られている。それもこの地方がイタリアの中では平野が多いことによるものでしょう。

やや南下してアペニン山脈のふもとエミリアロマーニャ州は農業がさかんで南部のイタリアに比べ大規模な近代農業で酪農も盛んである。その為、料理に乳製品が多様され牛肉や羊肉などの料理も多い。南イタリア の好きな私であっても、この地方の食材には魅力を感じるものが多く、近年のイタリア料理にたずさわる上ではなくてはならないものが数多い。

~1999/8/31掲載~